回向返照(えこうへんしょう)の意味と解説
**「回向返照(えこうへんしょう)」**は、仏教の教えの中で使われる言葉で、「回向」と「返照」という2つの概念を組み合わせたものです。それぞれの意味を簡単に説明した後、それがどのように組み合わされるかを解説します。
回向(えこう)
「回向」は、善行や修行の成果である功徳を自分だけでなく他者やすべての生き物に捧げることを指します。
- 外向きの心: 功徳を他者へ、また全宇宙へと広げる行為。
返照(へんしょう)
「返照」は、「自分自身を振り返り、内省する」という意味です。
- 内向きの心: 自分の内面を見つめ、心の在り方や行いを深く省みる行為。
回向返照とは
この2つを合わせた「回向返照」は、善行や功徳を他者や全体に捧げる(回向)と同時に、その心を自分自身にも向けて振り返る(返照)ことを意味します。
つまり、
- 自分の行いや修行の成果を他者や全体に向けて分かち合う。
- その分かち合う行為を通じて、自分自身の心や行いを深く見つめ直す。
という、外向きと内向きの心の両立を目指すものです。
仏教的な意義
- バランスのとれた実践: 「外向き」の回向だけでは自己が見失われる可能性があり、「内向き」の返照だけでは利他の精神を欠く可能性があります。両方を実践することで、他者を慈しみながら、自分自身の悟りへの道も整えます。
- 自己と他者の一体性: 他者への功徳の回向を通じて、自分と他者がつながり、共に仏の道を歩むという大乗仏教の理想が現れています。
日常での例え
例えば、あなたが誰かを助けたり支えたりする(回向)とします。そのとき、「自分は本当に純粋な気持ちで助けているだろうか?」と自分の内面を見つめ直す(返照)ことで、さらなる気づきや成長が得られます。
まとめ
**「回向返照」**は、外向きの慈悲と内向きの自己省察を同時に行うことで、他者への思いやりと自己成長を両立させる実践です。仏教的には、自己と他者の調和を目指し、大乗仏教の根本的な精神を具体的に示す方法ともいえます。
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