庭造りのための土壌検査

Soil testing for gardening 農行

地表面の土壌が酸性かアルカリ性かを見極めることは庭造りにとって重要です。
今日はマキノに帰って(時間があれば)土地の酸性度を測りたいと思います。

なぜなら日本の雨は、一般的に酸性雨と考えられているからです。酸性雨は、工業活動や自動車の排気ガスなどから発生する二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)が大気中で化学反応を起こし、硫酸や硝酸となって降水に溶け込むことによって発生します。

土壌の中性pHは7です。pHスケールは0から14まであり、7が中性を示します。これより低い値は酸性、高い値はアルカリ性を示します。

  • 酸性土壌: pH 7未満
  • 中性土壌: pH 7
  • アルカリ性土壌: pH 7以上

植物の種類によって好むpH範囲は異なりますが、ほとんどの作物は中性に近い土壌(pH 6.0から7.5)が最も良い成長を見せることが多いです。

土壌のpHを測定するための方法は複数あります。以下に一般的な方法をいくつか紹介します。

1. 土壌pHメーターを使用する

  • ステップ1: 土壌サンプルを採取します。植え付ける場所から数箇所からサンプルを取り、それらを混ぜ合わせます。
  • ステップ2: 土壌サンプルに適量の水(蒸留水が望ましい)を加えて泥状にします。
  • ステップ3: pHメーターを泥に差し込み、読み取ります。メーターの取扱説明書に従って正確に測定してください。

2. pH試験キットを使用する

  • ステップ1: 土壌サンプルを採取します。植え付ける場所から数箇所からサンプルを取り、それらを混ぜ合わせます。
  • ステップ2: 土壌サンプルの一部を小さな容器に入れ、適量の水を加えてよく混ぜます。
  • ステップ3: pH試験キットに付属の試薬を加えます。通常、試薬は土壌と水の混合物に数滴加えるだけです。
  • ステップ4: 試薬が色を変えたら、その色をキットに付属のカラーチャートと比較してpHを確認します。

3. pH試験紙を使用する

  • ステップ1: 土壌サンプルを採取します。植え付ける場所から数箇所からサンプルを取り、それらを混ぜ合わせます。
  • ステップ2: 土壌サンプルの一部を小さな容器に入れ、適量の水を加えてよく混ぜます。
  • ステップ3: 土壌と水の混合物をしばらく放置し、液体部分を別の容器に注ぎます。
  • ステップ4: pH試験紙を液体に浸し、指定された時間だけ待ちます。その後、試験紙の色をカラーチャートと比較してpHを確認します。

4. 専門機関に依頼する

  • ステップ1: 土壌サンプルを採取します。植え付ける場所から数箇所からサンプルを取り、それらを混ぜ合わせます。
  • ステップ2: サンプルを封筒や容器に入れ、専門の土壌検査機関に送ります。
  • ステップ3: 機関からの結果を待ち、土壌のpHや他の栄養成分の分析結果を受け取ります。

注意点

  • 土壌サンプルを採取する際は、表面の5cm程度を取り除き、その下の土壌を採取します。
  • 土壌サンプルは乾燥させ、異物(石、葉、根など)を取り除いてから測定します。

これらの方法を使って、土壌のpHを正確に測定することができます。適切なpH管理は植物の健康な成長にとって非常に重要です。


緑肥(グリーンマニュア)を使用することで土壌のpHに影響を与えることがありますが、その影響は緑肥の種類や土壌の特性によって異なります。以下に一般的な影響とそのメカニズムを説明します。

緑肥が土壌pHに与える影響

  1. 酸性化:
    • 一部の緑肥作物(例:クローバーやライ麦など)は分解過程で有機酸を生成します。この有機酸が土壌に加わることで、土壌のpHが低下し、酸性化することがあります。
    • 特に、窒素固定能を持つ豆類(例:クローバーやベッチ)は、窒素を土壌中に追加するため、硝酸の生成を通じて土壌の酸性化を引き起こすことがあります。
  2. アルカリ化:
    • 逆に、一部の緑肥作物(例:ルピンやアブラナ科植物)は、分解過程でカルシウムやマグネシウムなどの塩基性成分を供給し、土壌のpHを上昇させ、アルカリ化することがあります。
    • これらの植物は、根から分泌される物質や分解後の残留物が土壌のpHを中和またはアルカリ化する作用を持っています。
  3. 緩衝効果:
    • 緑肥が土壌に有機物を追加することで、土壌の緩衝能力が向上します。これにより、急激なpH変動が抑えられ、土壌pHが安定しやすくなります。
    • 緑肥による有機物の増加は、土壌微生物の活動を促進し、土壌の物理的および化学的性質を改善します。

具体例と対策

  • 酸性土壌の改良:
    • アルファルファやフェヌグリークなどのアルカリ性緑肥作物を使用することで、酸性土壌を中和する効果があります。
  • アルカリ性土壌の改良:
    • クローバーやソルガムなどの酸性化傾向のある緑肥作物を使用することで、アルカリ性土壌のpHを低下させることができます。

結論

緑肥の使用は土壌のpHに影響を与える可能性があり、その影響は緑肥の種類や土壌の特性によります。緑肥を選ぶ際には、土壌の現在のpHと改良したい方向(酸性化またはアルカリ化)を考慮することが重要です。また、緑肥の効果を最大限に活用するためには、適切な土壌管理とモニタリングが必要です。

以上は、いかにして健康的な土地づくりを行うかの検討であり、将来の環境再生型農業への取り組みの前提となる研究です。

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