ゴミは燃やすに限る。
元は宝。
宝も時が至ればゴミとなる。
だが、昨日はいささか違った。
裏の部屋に置いてあった木箱の中は、気色悪かった。
修行道場での応量器などが入っていた箱だ。
このなかに大きな青いトカゲのようなヤモリが沢山いた。
爬虫類は苦手で、とにかく閉口した。
猫部屋。どこから引っ張り出したのか。
巻紙の父の書が出てきた。
いや、本棚からネコが落としてくしゃくしゃにしていた。
それを見て佇んだ。
私の出生の記録である。
巻紙で毛筆にて丁寧に書き込まれていた。
命名の経緯や親せき縁者、近所の方々から頂いた産着などの記録。
最後に私に当てた言葉が大書されていた。
「努力しなさい」
コメント